にゃにもの? -その8-
つづきなのら
ボク「ところで『これから死に至る肉体に宿っている魂が 急遽必要になった』と仰ってましたが、それってどういうことなのですか?」
閻魔「魂は融合と分裂を絶えず繰り返していると言ったじゃろ。あるプログラムが発動するタイミングになった関係で、必要な魂をいくつか集めることになったのじゃ」
ボク「それを集めてどうするのですか?」
閻魔「一つの魂としてある胎児のもとへ送る。産まれ、育ち、順調に役目を果たし、また戻ってくる予定じゃな」
ボク「それって特殊なケースですよね?」
閻魔「前にも言った通り想定内じゃよ、特殊ではあるがな。役目を果たした途端に死ぬ、まるでそのためだけに生を受けたような人物が時々いるであろう」
ボク「あー、いますねー! こういう仕組みだったのかー」
閻魔「全部が全部そうではないがな。それと、役目を持って産まれ、役目を終えて死ぬという点で、ヒトは皆同じじゃよ」
ボク「みんな役目があるんですね! どうやってそれを知ることが出来るのですか?」
閻魔「うーん、役目があるといえばある、ないといえばない。それを見つけるのが役目とも言えるし、そんなものはないと思って気ままに生きても問題はないのじゃ」
ボク「すごく難しい話ですね」
閻魔「考えて分かるものではない。生きて経験して、自分なりに解釈すればそれでよい。そのためだけに生きるのじゃからな」
ボク「そのためだけに、ですか?」
閻魔「他になにがあるというのじゃ」
ボク「だってさっき役目がどうとかって…」
閻魔「考えて分かるものではないと言ったじゃろう」
ボク「どうやらそのようですね」
閻魔「つまり、そういうことじゃ。いま経験して、自分なりに納得したであろう」
ボク「!!!」
閻魔「そういうことか!と膝を打つ感じじゃったり、まあ仕方ないな…と渋々許したり、悩み苦しみながらアテもなく彷徨うからこそ、経験できることがあるのじゃ」
つづくのら