にゃにもの? -その3-

つづきなのら

 

閻魔「ふふふ」

ボク「あれ? 何かおかしなこと言いました?」

 

閻魔「気づかぬか?」

ボク「何がですか?」

 

閻魔「さきほど『ヒトになったら、どうやって生きていけばいいか?

言葉も分からないし、人間界のルールやそれまで生きてたいろんなこと

何も分かりません』と言っておったが」

ボク「だって今は思ったことが勝手に伝わるから・・・」

 

閻魔「ネコには言葉やルールという概念もないのじゃぞ。それに先ほど

申しておったではないか『ヒトが生き返る話は聞いたことがある』と

それはいったい、いつどこで聞いた話なのじゃ?」

ボク「あーー!!」

 

閻魔「最初にわしが『ヒトになってみる気はないか?』と質問したとき

言葉にせずとも、おまえの中で答えはイエスであって、その瞬間にもう

これから死に至る肉体との霊線が繋がっておるのじゃ」

ボク「霊線、ですか?」

 

閻魔「まあ肉体と魂を繋ぐコードみたいなものじゃ。まだおまえの魂は

肉体に宿ってはいないが、霊線が繋がっておるから、その肉体のもつ記憶

アカシックレコードにアクセスすることが可能なのじゃ」

ボク「んー、よく分かりませんが、なんとなく理解できます。それはいい

のですが、さっきから疑問に感じてることがあります」

 

閻魔「なんじゃ」

ボク「なぜボクが、ネコの魂が選ばれたのかなって。ヒトの魂だって

たくさんあるだろうし、本人の魂が元に戻るのが一番、話がややこし

くない方法だと思いませんか? 

こんなこと言うのは失礼ですが、どうせバレちゃうんだろうから、

思い切って言ってみました」

 

閻魔「まあその通りじゃよ。いろいろと複雑なのじゃが、分かりやすく

いうと、わしの役割はさしづめ、魂派遣業といったところかの」

 

つづくのら